小テストの講評
39点満点
平均点 25.48
WORDの問題と,情報セキュリティー の問題の正答率が低かったです.あとは概ねよくできていました.小テストの内容は講義内で扱っていきます.では,今日の内容に入りましょう
第2回「コンピュータ概説-ワードプロセッサ」
コンピュータ概説
コンピュータとはなんでしょう?そもそもの意味は「計算するひと」です.ラジオの聴取者のことを”リスナー listener "といいますね.この「listen + er」とおなじように,compute + er, つまり「計算するひと」がそもそものコンピュータの意味です.電子計算機が誕生する前でも,大規模計算が必要な場合があります.そのため計算を専門でおこなう人々がいたのです.
じつは計算人, computerの歴史は古く,中世まで遡ります.哲学が好きなひとはライプニッツを知っているかもしれません.ライプニッツは「宇宙人ではないか?」と思うほどに,数百年先を生きていました...ライプニッツは,(あまり知られていないが実は)現代の人工知能の先駆けであるルルス(ラモン リュイ)に啓発され,いまみなさんが使っている電子コンピュータとおなじものを着想しました(ライプニッツ型計算機).
ライプニッツは”本気で”計算機をつくろうと,ものすごく頑張りましたが,当時彼の概念を現実にできる機械技術がありませんでした.電子技術以前の工業技術は,機械技術でそれを支えるのは精巧な歯車をつくる技術です.その当時の機械技術ではライプニッツの求める歯車をつくる技術がなかったのです.ライプニッツの歯車の特徴は桁が自動的にあがる仕組みにあります.桁があがるとは...わたしたちが慣れ親しんでいる10進数では9のつぎは10に桁があがりますね.あの桁上がりです.そのためには,複雑な機構の歯車が必要だったのです...彼はヨーロッパ中の歯車職人を探し回りますが,結局誰もつくれませんでした..
でもライプニッツはめげません(ここが彼の「本気な」ところです).精巧な歯車ができないなら..と中国の思想・科学技術にも長じていたライプニッツは,簡単なしかけをつかって2進数計算機をつくってしまいます.2進数計算機とは...現在の電子計算機とおなじしくみです.
2進数とは?
「なんとか進数」とは「いくつで桁があがるか?」という意味です.たとえば「10進数」とは「10で桁があがります」.10進数は10で桁があがるので0.1,2,3,4,6,7,8.9,そして10になったら
なので,10.となります.
同様に「2進数」とは「2で桁があがります」.2進数では0,1,そして2で位があがります
なので,10,となります.これは"じゅう"ではありません.”いち・ぜろ”です.さらにつづけましょう.10のつぎは1つ増えて11になります.
Q1:「では11のつぎはどうなるでしょう?」
その結果100になります.これも”ひゃく”ではなくて,”いち・ぜろ・ぜろ”です.
Q2:「2進数の100は10進数ではいくつでしょう?」
じっさいに数えてみましょう.2進数では0のつぎが1,そして桁があがって10,そのつぎが1つ増えて11,ここで桁があがって100になります.2進数では0から4つ進むと,0→1→10→11→100となります.
10進数ならば「0から4つ進むと」...0,1,2,3,4となって4となります.つまり2進数での100は10進数だと4になるのです.
2進数は扱いやすい?
「なんだか,わかったような..わからないような・・」
なぜ,ライプニッツは2進数を使ったのでしょう?それは仕組みが簡単だからです.彼は,押しボタン,のようなものをつくって2進数計算機をつくりました.
とすると2進数は「ボタンを押す・押さない」で表現できます.桁上がりは「ボタンを押した状態」でさらに入力すると桁上がりをするようにします.実際には”豆”を押し込むのですが,たとえば”豆”が押し込まれたところに,さらに”豆”を入れると「押し込まれていた豆が次の桁に移動して,押し込んだ豆は下に落ちる」ようにすればいいわけです.この操作は1に1を加えたので10になったことに相当します.
10円玉をつかって2進数計算機をつくろう!
ライプニッツのつくった2進数計算機をつくってみましょう!といっても,何も準備はいりません.手元に小銭でもなんでも,モノを2つ(消しゴムでも,ボタンでも,本でもなんでもいい)用意してください.
これがライプニッツがつくった2進数計算機です.そして,この仕組みがみなさんがいま使っている電子計算機,コンピュータの仕組みなのです.電子計算機ではライプニッツが使った「押しボタン」のかわりに,スイッチをつかっています.スイッチがOFFならば0,ONならば1とすれば電子的に「押しボタン」をつくれます.コンピュータって複雑そうですが(実際にとってもふくざつですがーー;),その実態は巨大なスイッチのかたまりなのです.
bit・ビットってなに?
コンピュータにまつわるはなしではよく,ビットという言葉がでてきます.わたしたちは,これまでにすでにビットをさんざん扱ってきました.少し”いかめしく・それっぽく”言い換えると...ビットとは情報の単位です.「なんで単位なの?」.ここで情報といっても,そんな構えるような難しい概念ではなくて...もっとも素朴に情報をかんがえてみると,「ある」か「ないか」がいちばん単純な情報じゃない?ということです.「ある」場合をスイッチON,「ない」場合をスイッチOFFとすると,スイッチのON/OFFがいちばん単純な情報になるじゃないか..ということです.
でもなぜ単位?... スイッチが1つしかなければ,たとえば「消しゴムがある・ない」しか表現できません.「いつも消しゴムのある・なしばかりを気にする」のも妙なので,消しゴムとくれば,えんぴつのある・なしも気にしたい.なのでスイッチをもう一個増やせばいい.さらに「シャープペンシルのある・なし」のためのスイッチ,「ボールペンのある・なし」のためのスイッチ,etc...とスイッチを増やしていけば,それだけ多くの情報を表現できます.
さて,スイッチをつかって,私たちはどのように情報を増やしてきましたか?
スイッチ=1つの情報(消しゴム,シャープペンシル,ボールペン)
でしたね,つまり,スイッチ1つが1つの情報に対応しています.スイッチ1つよりもスイッチ3つのほうが,3倍の情報,を表現できますね.スイッチ3つと9つを比べれば,表現できる情報の量は3倍になります.なので,スイッチの数,つまり,ビットの数が表現できる情報の量の「単位」とみなすことができるのです.計算機の性能を表すのに64ビットレジスタとか32ビットレジスタとか,いったりします.レジスタとは,スーパーなどにあるレジスター(レジ)とおなじ意味で「計算器」という意味です.64ビットレジスタとはスイッチが64個ある計算器のことをいいます.「スイッチが多いほうが性能がいいのでは?」→そのとおり!表現できる情報がかずが多いので32より64のほうが性能が高くなります.
以上をふまえて,以下のビデオで一般的なコンピュータの歴史を学びましょう.
コンピュータ システム
コンピュータの基本的なしくみ(ビット)と歴史を勉強しました.つぎに,コンピュータシステムについて学びましょう.コンピュータができることは「読み・書き・そろばん」です.
コンピュータは「ハードウェア」と「ソフトウェア」でつくられています.ハードウェアとは,いま見ているディスプレイとPC本体,キーボード,タッチパネルやマウスなどのいわゆる「機械・器械」のことです.ソフトウェアとは,いわゆる”ソフト”や”アプリ”とよばれる,コンピュータのなかで動作しているシステムです.ワープロや表計算,Webブラウザ,動画プレイヤーなどはすべてソフトウェアです.
コンピュータのなかには,いろんなソフトウェアがあります.場合によってはファイルを印刷したくなったり,レポートを保存したり,NUCTにアクセスしたり,とハードウェアと連動してさまざまな処理をしています.なので,これらをすべて取り仕切る,お世話係,が必要です.その「お世話係」のことをOperating System, OSといいます.お世話係が,コンピュータシステムの特徴を決めます.
たとえば,格式ある日本旅館と,格式あるホテルとでは「サービスの仕方や文化」が違いますね.いずれも長年の経験が蓄積され,サービスのポリシーが磨かれています.オペレーティングシステムが違うと,日本旅館とホテルのように,提供されるサービスのポリシーが全く異なります.たとえばMac OSはキーボードをなるべく使わないようなポリシーがあります.そのため,グラフィックに力を入れ,マウスだけで事が済むことを理想としています.一方でUNIXというOSは正反対で,すべてをキーボード入力にすることを理想としています.
代表的なOSはマイクロソフト社のウィンドウズとアップル社のMac OSです.その他にもUNIX, LinuxなどのOSも使われています.OSによってサービスの文化がかなり異なります.みなさんも,自分にあったOSを探してみてください.
では,ここまでのまとめビデオを作成しました. ビデオ の最後でクイズが出題されています.
クイズ: 電卓とコンピュータの違いは何でしょう? ちょっと考えてみてください (課題ではありません).
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マイクロソフト社のMS WORDのオンラインコースで実習を行なってください→[クリック]https://support.office.com/ja-jp/article/windows-%E5%90%91%E3%81%91-word-%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0-7bcd85e6-2c3d-4c3c-a2a5-5ed8847eae73?wt.mc_id=otc_home](https://support.office.com/ja-jp/article/windows-)
すでに経験がある方は自分の技量にあわせて,さらに技術に磨きをかけてください.初心者の方は「テキストを追加して編集する」までを,最初の目標にしてください.
タッチタイピング
タッチタイピングとは,キーボードを見ずにキーボード入力をする技術です.この技術の優劣が,今後に大きく影響します.なので,初心者の方は着実に,ある程度できる方はさらに技術を磨いてください.以下に初心者の方のためのビデオを作成しましたので,参考にしてください.
ニューヨーク州立大学(State University of New York, SUNY)のOpen Textbook を教科書にアクセスしましょう. Open Textbook をClickして教科書を開き,Intdoructionの章を読んでください.
Introductionでは「情報リテラシーとは何で,どんなことを学ぶか」について具体的に書いてあります.今回はこのIntroductionを読んで,以下の課題に答えてください.
課題 Introductionでは,7つのpillarsに,2つのpillarsが加えられています.まず,これら9つのpillarについて説明しなさい.(ここから先はチャレンジ課題です)新型コロナウィルスについてさまざまな情報が錯綜しています.この9つのpillarsをもとに,流布している新型コロナウィルスの情報について考察しなさい.
解答は課題の「フォーム」にそのまま書き込んで提出してください.
これで第2回は終了です.NUCTでの課題提出を忘れないようにしてください.
おつかれさまでした.