Scopeとは,
とあります.これは7つの柱のうちの,Scopeの柱です.これを打ち立てると,
を得ることができます,.
一般にわたしたちが使う情報は,その詳細度に応じて以下ようになっています.まず,メディアで流れているニュース,政府刊行物,学術雑誌等,そして書籍の順です.
学術雑誌は日本では論文誌を指す場合がありますが,わたしたち研究者が読むような論文誌は著書(専門書)よりもずっと専門的なので,ここでの「学術雑誌」とは,書店にならんでいるような少し専門的な雑誌のことでしょう.もし,研究者が読んでいる学術論文がここに入るとしたら,Bookの下になるでしょう.
テキストでは「教師であるサリーが町の公職に立候補するにあたり,ニューヨーク州の土木工事の工法の環境への影響について,より説得力のある意見を形成すること」がシナリオとなっています.
わたしたちの場合は「新型コロナウィルスの実際の感染力」をテーマに読み替えて考えてみましょう.
いまこの時点で,私たちが知っているのはSNSに流れている情報やニュース番組などで聞いたことだけです.「どんな情報が不足しているのかを知ること」は,情報リテラシーの1つの重要な側面です.
闇雲に検索をするのではなく,まず”どんな情報が不足しているのか?”を明確にできれば,検索すべき情報が明確になり,より,確度の高い情報を得ることができます.
どんな情報が不足しているのか?を明確にすることに加え,情報リテラシーとして重要なことは,求めている情報の形式ーつまり,書籍、雑誌記事、政府文書、ブログ投稿、ニュースアイテムなどのさまざまなにあることを理解することです。
各,情報形式にはそれぞれの特徴ががあります。以下の図は、情報発信の一般的なプロセスを表しています。なにか事象が発生すると、通常、ニュース、放送、ウェブ、印刷物などでニュースが発出されます。
より詳細な調査と分析は、政府が公表しているデータ(厚生労働省の新型コロナウィルスの公開情報)や学術論文などで速報されます。さらに,詳細な調査や、事象について入手できる情報の多くの概要は整理され、多くの場合、本の形式で出版されます(新刊書など)。
私たちの課題は「新型コロナウィルスの感染力」です.まず,最初に行うことは..Googleなどでの検索でしょう.では,課題1をやってみましょう.
課題のすすめかたのヒント
今回は「調べ物」が多いです.提出はいつものようにNUCTのサイトのフォームに書き込みますが,MS.WORDなどにメモをしておいて,フォームにコピー&ペーストすると便利だとおもいます.
課題1:Googleで「新型コロナ,感染力」を検索し,ヒットする件数を調べなさい.
ヒットする件数は下図の赤丸内に表示されています.
名古屋大学図書館のサイトは、図書館にあるすべての書籍ほかの情報、名大と書簡からアクセスできるすべての情報を統合したデータベースになっています.まず,アクセスしてみましょう.
・名古屋大学蔵書検索(OPAC)詳細検索 これは名古屋大学図書館の蔵書検索ができます.名古屋大学には中央図書館以外にも各学部に図書室があります.さらに,研究室に配架になっているものもあります.原則として,すべての蔵書,資料を借りることができます.
・蔵書検索(他機関):名古屋大学図書館のサイトを経由して,国内外の図書館・データベースにより,以下の文献検索を行うことができます.
・電子リソース(学内者向け)
電子ジャーナルやデータベースで情報検索ができます.電子ジャーナルとは,一般に「論文誌」とよばれているものです.
これで,Nature誌の論文を手に入れることができます.
*学外からの使用:学外(自宅など)からも使用できます.
これで,学外から名大図書館のサービスを利用できます.上図にあるように,OPACや他のデータベースも利用可能です.
タイトル、著者、主題、キーワードなどで文献を検索できます。検索できる資料のなかには,本、雑誌、政府文書、ビデオまたはオーディオの録音などさまざまな形式のものがあります.
では,実習をしましょう.
課題2@NUCT
1)
SUNYのテキストで使っているWorldCatで「新型コロナ,感染力」を検索し,検索された数(件数)をしらべなさい.
2)
名古屋大学図書館(オンライン)の「蔵書検索」で,「新型コロナ,感染力」で検索し,検索された件数を調べない.
図書館情報やデータベースでの検索では「統制語彙」とよばれるものがつかわれます.たぶん,初めて目にすることばだとおもいます.以下は「デジタル大辞林」での統制語彙の用例です.
図書館情報学やデータベースの分野で使われる、意味の範囲や使い方が規制された言葉。図書の索引や目録を作成する際、言葉の意味のあいまいさや同形異義・異形同義によって生じる検索の漏れと重複を防ぐために、あらかじめ選定された一連の語彙を指す。統制語。統制索引語
たとえば「コンピュータ」について検索する場合,PC, パーソナルコンピュータ,電子計算機,パソコン,..さまざまなキーワードがありえます.その各々について,1つづつ検索しているのは大変な手間です.
そこで,コンピュータに類するキーワードをすべて一つにしたものが「統制語彙」です.統制語彙をつかって検索をすると,関係するすべてのキーワードを同時に検索することができます.
日本国内では「統制語彙」はあまり実用化されていないようです(もし,されているなら,教えてください!)「統制語彙」を実感するために,米国議会図書館のデータベースにアクセスしてみましょう.
SUNYの教科書によると,映画,動画,などの統制語彙は motion
pictureだそうです.さっそく,米国議会図書館で検索してみましょう.右上の"search
for"のところに motion
pictureと入力して,検索します.
できましたか?
ずらりと,文献リストが並んでいます.
そのまま,スクロールして下に行きます.すると,languageのところにJapaneseがありますので,そこをクリックします.
※チャレンジ課題(この課題は提出の必要はありません).
米国議会図書館のデータベースを検索し,映画についての日本語の文献で一番トップにあるものを答えなさい(日本語でも,ローマ字でもよい)
情報検索をしてみて,トピックが新しいので,書籍は少ないことがわかります.そうなると情報源となるのは,ニュース記事,新書(専門書ではない)などが中心になりそうです.
そうなると,政府発表の公的なデータなど記事の裏付けとなる証拠を探すことが必要となりそうですね.また,有用な情報リソースの検索を開始すると、知識に不足があることに気付きます。そこで重要になってくるのが 「どの情報やデータを使うかをどうやって決めるか?」です.選択した情報やデータはあとから否定されたり,誤っていたことが判明することがあります.なので最新の情報が必要としています。そのために,公開日を確認すると、最新のアイテムを選択するのに役立ちます。
検索を高度化する1つの方法は、ブール演算子を使用することです。検索に追加して、検索結果を絞り込んだり広げたりできる単語。それらはand、or、そしてnotです。これらの単語はデータベースの高度な検索でつかいます.
Google検索の場合には大文字でAND とします,たとえば「淡水釣り」に興味がある場合は「魚 AND 淡水」と入力します。結果には、これらの単語の両方を含むだけの検索が含まれます。
上の図の緑の重複領域は、「魚 AND 淡水」の検索結果を表しています。
または OR、は検索範囲を広げ、通常は同義語とともに使用されます。たとえば「クジラ OR イルカ」のように入力します.
上の円はOR検索を表します。「クジラ OR イルカ」は,クジラとイルカの両方と,クジラのみ,イルカのみの検索結果をすべて含みます.
NOTをつかうと「〜を除く」検索を行うことができます.たとえば「ブルーフィッシュを除くすべての魚」の情報検索では「魚 NOT ブルーフィッシュ」と入力します。Google検索の場合はNOTは - と入力します.注意してください;google検索で「魚 NOT ブルーフィッシュ」と検索してもダメです.「魚 -ブルーフィッシュ」と入力します.このときに”- ブルーフィッシュ”のようにスペースを空けてはいけません.魚 -ブルーフィッシュのように-と検索語の間にスペースを入れないように,くっつけて使います
大きな緑色の円は、この検索で取得する結果を表しています。
SUNYの教科書では統制語彙「水圧破砕」での検索結果が示されています。彼女は「Marcellus
Shale」でANDをつかって検索クエリは「水圧破砕 AND マーセラスシェール」としています。クエリはデータベースの専門用語で,検索式のことです.このクエリで取得される結果は以下のようになります.
課題4
Google検索で,「新型コロナウィルス」と「感染性」について,AND, OR,
NOTをもちいた場合にヒットした検索件数をこたえなさい.
ヒットした検索件数は,
また,「新型コロナウィルス AND 感染性」で検索をすると,勝手に検索が,「新型コロナウィルス と 感染性」に変換されてしまう場合があります.その場合は,検索窓の下に「新型コロナウィルス AND 感染性」が表示されていますので,そちらを選択してください.
今回はここまでです.