情報リテラシー

第11回 ウェブページによる情報表現(発展)


HTML/ホームページの課題について

いわゆるWeb ページはhtmlタグにより作成されています.htmlファイルの作成は,

  1. 自分でタグを書いて作成する方法
  1. htmlタグを自動生成する方法
  1. レディーメードのシステムを使用する方法

などがあります.このコースでは初回に1.を行って,前回は2. で作成しました.

「うまくいかない」という方々が提出していただいた課題は,.docx ファイルになっています.そこで,まず「拡張子」について説明します.拡張子とはファイル名の後ろについている.txtや.docxのような文字列です.

問題1:以下のファイルの「拡張子」をこたえなさい.

  1. foo.txt
  2. foo.docx
  3. foo.htm
  4. foo.htm.docx
  5. foo.htm.txt

答え)1.から順に .txt, .docx, .htm, .htm.docx, .htm.txt

計算機システム「そのファイルがなにであるか?」を拡張子を頼りに判断しています.問題4.や5.のように複数の拡張子になっている場合は最後の拡張子で判断します.たとえば,

と判断します.

問題2:以下のファイルの種類を答えなさい(ヒント:拡張子に注目せよ)

  1. foo.txt
  2. foo.docx
  3. foo.htm
  4. foo.htm.docx
  5. foo.htm.txt

答え)1.から順に テキストファイル,MS WORD, htmlファイル,MS WORD, テキストファイル

以上をふまえて,htmlファイル作成(前々回)の課題を振り返りましょう.前々回は

などの質問が多くありました.その原因は「拡張子」です.

  1. MS WORDでhtmlタグでページを作成
  2. 名前をつけて保存を選ぶ
  3. 名前を sample.htmlとする
  4. ファイル形式をプレーンテキスト(.txt)にする
  5. デスクトップに保存する

うまくいかなかった人は,今一度,上のようにやってみてください.するとデスクトップ上には

sample.htm.txt

というファイルが保存されます.

  1. 手でファイル名を sample.htm.txt から sample.htm とする..txtを削除する.
  2. 完成

.txtを削除して,.htmとするとダブルクリックするか,ブラウザにドラグするとページが表示されます.表示されない場合はhtmlファイルの書き方に問題があります

が原因のことが多いです.

第2回(MS WORDによる作成)

MS WORDによる作成では,タグを必要も,いったんテキストファイルとして保存して,ファイル名を手で書き換えるような泥臭い方法をつかわなくてもWebページ を作成できるので,より簡単になったのですが,第2回で多く寄せられた質問が,

「提出してみると,文字コードが違っていて表示されない」

でした.自分のPC環境と,提出先のPC環境で「文字コード」が違っているために,いわゆる「文字化け」を起こしているのです.

「これで提出してもいいでしょうか?そちらでみえるでしょうか?」

と心配されている方も多かったですが,ご安心ください.文字化けをしているものについては,文字コードを適切に変えることで,きちんと見えています.

文字コードってなんでしたっけ?

このコースの最初の頃に触れましたが,PCやインターネットで流れている情報は,

1, 0

のみです.どんな情報もすべて,10101101001000... のようなビット列(1と0で構成された列)に変換されて,PC内で処理されるし,インターネットで配信されます.

ということは...

(少し誇張すると)PCは流れている情報が文字なのか,映像なのか,音楽なのか,はわかりません.どんな情報でもすべてが1と0になってしまっているので... 私たちからすると,文字も動画も音楽も「すべて1と0の言語」で表現されてしまう,つまり,文字と動画や音楽の区別がなく,世界がただ1と0で満たされている世界...想像がつかないですが,それがPCやインターネットの情報空間の世界で,決してSFではなくて,実在していてそれを使っているわけです.

とうことは...文字も1と0で表現しなければなりません.

どうしたらいいのでしょう?

私たちはPCやインターネットで文明が構築される以前から,同様のことをやってきました.たとえばモールス信号です.たとえば日本語の場合は,

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のようになっています.モールス通信では「ツー」と「トン」のみで日本語のみならず,さまざまな言語での情報通信が行われてきました.

「でも,どうやって?」

他の言語にするにはモールス通信表をとりかえてしまえばいいわけです.たとえば英語であれば,以下のようになります.

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おなじ「ツー」と「トン」だけで,こんどは英語を記述できるようになります.

もし日本語のモールス信号を英語のモールス信号をつかって受信したらどうなるでしょう?

送られてきているのは「ツー」と「トン」なので,モールス信号であることはわかっているのですが,異なる信号表をつかって通信をしたら..チンプンカンプン..になってしまいます.これと全く同じことがPCで起きると「文字化け」となります.

PCの場合で厄介なのは,日本語の”モールス信号表”つまり,文字コード表,が複数あることです.なので,Aさんが文字コードαでWebページ を作成して,それを文字コードβをつかっているBさんが表示させると,文字化け,を起こしてしまうのです.

もし文字化けになったら?

このコースの課題の場合は私が表示する文字コードを変更しますので,文字化けを気にせずに課題はそのまま提出してください.私のほうではちゃんと見えていますので,ご安心ください.自分の環境で文字化けを直したい場合,使っているブラウザによってそれぞれの方法があるので,検索して試してみてください.

余談ですが,googleはモールス表による日本語入力システムをつくっています.このビデオは結構前なので,現在でもサポートされているのかは不明ですが..

 

ウェブページ による情報表現とデータジャーナリズム

前々回,前回とさわり程度ですが,ウェブページの中身やWeb作成ツールをつかった作成などをおこなってみました.今回は情報リテラシーの観点からの発展として,ウェブページ による情報表現について考えてみたいとおもいます.

SUNYの教科書でも少し触れましたが,情報は使用するメディアの特徴を反映します.紙媒体,書籍,学術論文,雑誌,テレビ,ラジオ,そしてウェブと同じ情報であっても,それが伝えられるんメディアによって表現がかわってきます.

ウェブページによる情報表現の特徴は,複合メディアであること,です.新聞のような紙媒体としての性質も持ちますし,以前に実習をしたオンラインジャーナルのような学術論文の体裁もとれますし,動画や音楽も使えるので,youtubeのような従来TVメディアが担ってきた情報表現も使うことができます.

また,紙媒体と大きくことなることは,「引用」を読者がリアルタイムにチェックすることができることです.ニュースや書籍などでの引用は,図書館やネット検索をしないとチェックすることができません.ですがウェブページでは,リンクを張っておけば読者はいつでもすぐに引用をチェックすることができます.

その一方で,引用のリンクを張ってもそれを調べる読者は多くありません.また,引用先のデータや文書が大量である場合には,よほど興味がない限りは読者は引用先のデータや文書をきちんとチェックしません.ですが,引用があることだけで記事の信用性があがってしまいます.

これを逆手にとって,都合のよい,もしくは,信憑性に欠ける引用を使うという,いわばテクニックのようなものが生じていることも事実です.


ワーク:以下の日本経済新聞の記事をみてみましょう

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リンク先はこちらです.https://www.nikkei.com/article/DGXZZO50651160W3A110C1000000/

この記事を読んで,どうおもいましたか?


この記事のトピックは「約0.1シーベルトまたは10rem以下の低線量被曝は大した問題ではない」です.しかも,その報告を「国連科学委員会が提出した」と報告しています.なにやら信憑性がありそうです.国連のデータなどをもとに報道しているので「データジャーナリズム」っぽい印象をうける記事です.

報じられていることは重大です.福島原子力災害の影響が”大したことがない”と国連がお墨付きをあたえたように思えます.

ただ,少し冷静になってみると,この記事にちょっと?な点があることに気づきます.それは,日本経済新聞電子版となっているのに,すずその下にFobesという米国の雑誌の名前があること,です.そして,最後までこの記事を読むと,ご丁寧に

が示されています.

「え?この記事って日経の記事じゃないの???」


ワーク Google翻訳などをつかって,以下の2つの資料をざっとチェックしてみましょう,

  1. Forbesの記事 https://www.forbes.com/sites/jamesconca/2013/01/11/like-weve-been-saying-radiation-is-not-a-big-deal/#72f97b193a7e
  2. 国連の報告書 https://www.un.org/ga/search/view_doc.asp?symbol=A/67/46

チェックする際には,これまで学んできたSUNYの「情報リテラシーの技術」を思い出しましょう.たとえば,

などです.


どうでしたか?

この記事は信用に値すると判断できましたか?

わたしはこの記事が出た当時に,自分なりに徹底的に調べました.ジャーナリストの活動は研究者の活動とほとんど同じです.私はこの記事の著者の立場・社会的地位,これまでに書いた本とその概略,などなどを調べ,記事の裏どりをして,引用先,そして引用先の引用先まですべて洗っていきました.また,国連の報告書も隅々まで読んで,さらに英語の得意な知人にも読んでもらって誤読していないかチェックしました.

勘違いしないでくださいね.みなさんにワークで「そこまでやれ」と言っているわけでは,決してありません.そのとき私は「この記事が本当なのか」?を知りたかったのです.私の友人らが福島原発に比較的近い地域に住んでいて心配でしたし,震災当日に私は東京のお台場で開催されていた学会に参加中で,震災により移動できなくなり,近くの体育館に避難して一夜を過ごしました.避難所でSNSをチェックしている人たちから「福島原発が爆発しそうだ」との噂が広がってきました.そして,今から考えると荒唐無稽な「デマ」が飛び交うようになりました.

やがて福島原子力災害が発生します.多くの国民が水蒸気爆発で原子力建屋が吹き飛ばされる映像をリアルタイムで見ました.この記事は震災発生から2年後の2013年のものです.この当時もまだ状況は落ち着いていませんでした.

この記事をチェックしてみて,みなさんはどう思われましたか?


課題:ワークを行ってみて,日経-Forbesの記事の信憑性を「判断してください」.そして,その判断の根拠を示してください.

締め切りに注意してNUCTから添付ファイルとして課題を提出ください

おつかれさまでした