複雑系計算特論1および2 第9回

鈴木泰博

概要: 前回のレポートの講評のあと,課題で出題していた自然計算から形式計算への進展について述べる(この問題を解いていた人たちはほぼ全員正解してました).


前回の課題の講評:採点した分については全員が正答であったが,「自然計算と形式計算の関係」に踏み込んでみて,自然計算の起源,を考えてみるとどうだろう?

たとえば,タンパク質生成系の起源と進化,を自然計算の立場から考えるとどうなるだろうか?現在DNAやRNA複製系は地球上の生物がつかっており,かつ,プログラミング言語に相当する翻訳系は全生物に共通している.

自然界のどこに計算が存在しているのだろうか?明白なことは,DNA/RNAによる計算は生命の起源以前に地球上にあったことである.なぜなら,高分子の相互作用は化学反応であり,化学反応から生命は誕生したからだ.

前回の課題から類推できると思うが,計算はどのように進化してきたのだろうか?


前回の課題で確認したとおり,熊楠の科学論は,

とする集合論とみなすことができる.たとえば,

なぜ集合論では{a,a}をaで代表させているか?そこには「心」が介在している.熊楠の科学論は素朴集合論として解釈できるが,それは「心:認識」がない素朴集合論ではない.認識を含んだ素朴集合論なのである.「どうやって認識を入れた素朴集合論するのか?」

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課題: 以下の性質をもつARMSを示しなさい.


今回は以上です.締め切りに気をつけてNUCTから課題を提出してください